審判の基本(3): ランナーが塁を踏んでいるかの確認

塁審をやるうえでアウト、セーフなどの判定以外に重要な確認ポイントがあります。

それは、ランナーがしっかりと塁を踏んでいるかの確認です。

私も正直、良く忘れます。(いけません。)

特に外野方面に打球が飛んだ場合など、そっちに意識がいってしまって、走っているランナーを気にかける余裕が、まだまだありません。
ひよっこお父さん審判です。

なので、しっかりランナーが塁を踏んでいるかを「意識」して確認することを心がけるようにしています。

なぜ、これが必要なのか。

少年野球では、しばしば塁の踏み忘れ(空過)が発生します。一生懸命走って、歩幅が合わずに踏めなかった場合などです。

塁の空過はアピールプレイの対象

もし、塁を空過してしまった場合は、どのようになるでしょう。

まず、公認野球規則上の空過を禁止した規定は次のとおりです。

走者は進塁するにあたり、一塁、二塁、三塁、本塁の順序に従って、各塁 に触れなければならない。逆走しなければならないときも、5.06(c)の各規定のボー ルデッドとなっていない限り、すべての塁を逆の順序で、再度触れて行かなければ ならない。前記のボールデッドの際は、途中の塁を踏まないで、直接元の塁へ帰る ことはさしつかえない。

【注1】ボールインプレイ中に起きた行為(たとえば悪送球、ホームランまたは柵外に 出たフェアヒットなど)の結果、安全進塁権が認められたときでも、走者が、進塁ま たは逆走するにあたっては、各塁を正規に触れなければならない。

そして、公認野球規則上のアピールプレイの規定に次のようにあります。

ボールインプレイのとき、走者が進塁または逆走に際して各塁に触れ損ねたとき、その塁を踏み直す前に、身体あるいは触れ損ねた塁に触球された場合。

ランナーは塁を進むにあたって、各塁に触れなければならないが、触れ損ねたランナーをアウトにするにはアピールプレイが必要であることが記されています。

アピールプレイとは何か。公認野球規則上では

アピールは言葉で表現されるか、審判員にアピールとわかる動作によって、その意図が明らかにされなければならない。プレーヤーがボールを手にして塁に何げなく立っても、アピールをしたことにはならない。

とありますので、空過の場合には、守備側の選手が、踏み忘れた塁をボールを持って踏み、どのランナーが踏み忘れてましたよと審判にアピールすることでアウトを取ることができます。

つまり、塁を踏んでいるか否かの確認は非常に重要であるとともに、空過したのを審判が認識していても「知らぬ振り」が必要。この時点で審判自ら指摘をしたり、アウトのジャッジを下してはいけません。

守備側からのアピールがあればアウト。アピール権が消滅した場合(次のプレーが行われたり、チェンジで内野手全員がフェアゾーンを離れたりした場合)には、空過があっても踏んだものとして扱われます。

以前、他チームでの公式戦で、ランニングHRでの空過があり、アピールアウトになった現場に遭遇。
塁審、良く見ていたなぁ。

あの現場で自分が塁審していたらと思うとゾッとしました(苦笑)

ぜひ、皆様もランナーが塁を踏んでいるかの確認を「意識」して行うようにしてください。

“審判の基本(3): ランナーが塁を踏んでいるかの確認” への3件の返信

  1. わかりやすくて参考にさせていただいております。
    ボーイズの初心者審判部員です。
    日々、疑問等出てきますが今後も疑問解決に役立させていただきます。

  2. ベースの空過があった場合、審判は見て見ぬふりをしていなければいけないと思うのですが、空過してしまった時点でポイントを入れてしまった審判がいまして。
    このポイントを入れた行為は選手等に教える行為になってしまうのでよろしくないように感じますが、どうなのでしょう

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