サッカーなどと違い、野球にはフィールド上に複数の審判が存在します。
それぞれの審判には持ち場(責任範囲)があります。
この責任範囲が遵守されていないと、少々厄介なことが起きます。
タイムや、インフィールドフライの宣告の同調以外は、いずれか一人の審判がジャッジを行うことが基本です。
複数の審判が同時にコールしてしまうことを「ダブルコール」と言いますが、これはNGです。
なぜNGかと言えば、2人が同じジャッジをすれば問題ありませんが、際どいファール、フェアの判定などで、塁審と球審が異なったジャッジをするとプレイヤーが迷ってしまい、その処理に大変苦慮することになります。
それでは、状況に応じた責任範囲を見ていきましょう。
ファール、フェアの判定
4人制を前提に説明をします。
4人制では、必ず1塁と3塁に塁審が付きます。
この場合ですが、
原則、本塁とベースの間の打球判定は球審が行います。
ベースを超えて外野方面の打球や、ベースに当たるような打球は塁審が判定することになります。
念のためですが、ファールの際はタイムの時と同様に両手を広げて上げ「ファールボール!!」とコールします。
フェアの場合ですが、フェアフィールドを指差してノーボイスです。昔は「フェア!!」とコールしていたようですが、今は声は出しません。注意しましょう。
フライの場合
内野フライの場合には原則、球審がジャッジします。
外野フライの場合は、状況によって違います。
4人制で、例えばランナーがいない場合など、2塁塁審は外野に位置しているときには、左中間より左の打球が3塁塁審、左中間と右中間の間の打球が2塁塁審、右中間より右の打球が1塁塁審の責任範囲です。
ランナーがいて2塁上でプレーが発生するケースでは、2塁塁審は内野に位置します。このときはセンターより左の打球が3塁塁審、センターより右の打球が1塁塁審の責任範囲。(2塁塁審はジャッジしません。)
3人制などになると、もう少し複雑です。
内野へのライナー
この場合、若干難しいのですが、オープングラブポリシーというのがあります。
簡単に言えば、グローブの腹が見えている審判がジャッジすることになります。
概ね、上記の責任範囲を理解していればダブルコールは避けられると思います。
以前、練習試合でご一緒した相手チームの球審の方は、
本来の責任範囲があるけれど、一緒にやる審判がそれを熟知していなくて、自分の責任範囲までジャッジしてくると認識した場合には、あえて「俺はジャッジしない」とまで仰ってました。
それぐらいダブルコールは怖いということでしょう。